フランス(France)VAT

EU共通ルールは EU共通_税制 を参照。以下はフランス固有の情報です。

申告書URL

  • impots.gouv.fr 経由で電子申告・ポータル(professional space)へ。

登録申請URL

  • 公式サイト: impots.gouv.fr。Cerfa 11921・P0・登録手続はサイト内で案内。

VAT の詳細(2026-10-05 時点)

各国の税務当局・欧州委員会などの公開情報をもとに整理した概要です。制度は改正されるため、実際の判断の前に出典の最新情報をご確認ください。「二次情報」と付けた項目は、公式ページで直接確認できなかったため、専門機関の公開資料を出典にしています。

概要

現地の名称TVA(Taxe sur la valeur ajoutée)。
VAT 番号の形式FR+2桁(英数字)の識別キー+9桁のSIREN(EU公式の一覧による)。
税務当局財務総局(DGFiP、impots.gouv.fr)。非居住の外国事業者はDINR傘下の外国企業税務署(SIEE)が管轄。
根拠法令一般租税法典(CGI)。VAT規定は2025年12月17日のオルドナンス2025-1247で「財貨・サービス課税法典(CIBS)」へ再法典化され、2026年9月1日から施行(インボイス上の免税文言もCIBS参照へ変更)。

税率

標準税率20%。
軽減税率
  • 10%: 旅客輸送、飲食の店内提供、宿泊、一部の改装・修繕工事、医薬品の一部など(中間税率)
  • 5.5%: 食料品、書籍(媒体を問わない)、ライブ公演、障害者向け設備、再生可能エネルギー由来の熱供給、エネルギー性能改善工事など
超軽減税率2.1%: 社会保険で償還される医薬品、時事性のある新聞・定期刊行物など。
非課税の主な取引PwC(二次)はフランス域外の物品供給や外国顧客向けの特定サービスが原則免税と整理している。
特例地域コルシカ: 標準20%、10%(一部の不動産工事・農業機械・家具付き宿泊の一部・店内飲食・低圧電力)、2.1%(一部の物品、水・非アルコール飲料・旅客輸送等)。海外県(DROM): 標準8.5%、軽減2.1%(本土の5.5%・10%相当品目)。

課税時期とインボイス

課税時期(タックスポイント)物品は引渡し時に課税事象・納税義務が発生。サービスは役務完了が課税事象だが、納税義務は代金または前受金の受領時(既定)で、事業者は借方計上(債務確定)基準を選択できる。
インボイスの発行期限B2Bは原則、引渡しまたは役務提供時に発行。免税取引や顧客側納税(リバースチャージ)の場合は取引月の翌月15日までで、同一顧客への複数取引はまとめ請求書を月末までに発行できる。

登録

登録基準(国内事業者)franchise en base(免税)は前年売上が85,000ユーロ以下(商品販売・宿泊・店内飲食)、37,500ユーロ以下(その他サービス)で、当年の許容上限は93,500/41,250ユーロ。弁護士・著作者等は50,000/35,000ユーロ(許容55,000/38,500)。2025年改正の単一25,000ユーロ案は2025年11月3日法で廃止され、2026年も上記が有効(特別法2025-1316による予算延長)。EU中小企業制度(指令2020/285)は、他のEU加盟国に設立した事業者が、EU域内売上10万ユーロ以下かつ仏国内閾値遵守・自国への事前通知を条件にフランスで免税を使える形で適用。
非居住事業者EU域内の非設立事業者は、フランスで課税取引があればSIEEに登録して申告・納付する。非EU事業者も課税対象取引があれば登録が必要だが、財政代理人の指名義務がある(下記)。
税務代理人(Fiscal Representative)EU設立事業者は不要(任意で代理人=mandataireを指名可)。非EU事業者は仏国内でVAT課税対象の取引を行うか申告義務がある場合、認定された在仏の財政代理人が必須(CGI第289A条)で、フランスと相互支援の取決めがある国の事業者などは例外。代理人は納税責任を負い、認定には支払能力の証明または保証が必要(算定不能時は定額1万ユーロ)。
VAT グループあり(「assujetti unique」、CGI第256C条)。

インボイスと記録

記載事項(国別の点)2026年9月1日から(大企業・ETIは同日、中小・零細は2027年9月1日)、顧客のSIREN、納品先住所(顧客住所と異なる場合)、取引が物品のみ・役務のみ・混合のいずれかの区分、借方基準を選択した場合のその旨の4項目が追加。免税事業者の文言はCIBS参照に変わる(旧文言は2027年12月31日まで容認)。
電子インボイス・電子報告B2B電子インボイスは国内の課税事業者間が対象で、受領義務は2026年9月1日から全企業、発行義務は大企業・ETIが2026年9月1日、中小・零細が2027年9月1日(認定プラットフォーム経由、e-reportingも同スケジュール)。外国の非設立事業者はe-invoicing対象外だが、仏国内課税取引についてB2B国際取引・B2Cのe-reporting(取引・支払データ)義務があり、2026年9月1日(大企業・ETI)/2027年9月1日(中小等)から。
保存期間税務書類は6年(税務手続法典L102 B)、会計書類としては10年。電子インボイスは認定プラットフォームまたは対応ソリューション経由で保管し、紙の請求書は正副2通作成する。

申告と納付

申告の頻度通常課税(régime réel normal)は月次が原則で、年間納付VATが4,000ユーロ未満なら四半期選択可。簡易課税(régime simplifié、年次CA12、前年VATが15,000ユーロ未満)は2026年末までで、2027年1月1日に廃止され、免税事業者以外は全て通常課税(月次または四半期)となる。
期限(申告・納付)CA3の申告・納付は課税事象翌月の15日〜24日の間で、事業者別の期限は電子プロ口座に表示される。CA12は原則5月1日後の2営業日目(決算が暦年外なら決算後3か月以内)。
申告の方法impots.gouv.frの事業者専用スペースでの電子申告・電子納付が必須。
還付通常課税の事業者は、年次還付が150ユーロ以上、四半期還付が760ユーロ以上(第1〜第3四半期の翌月の申告時)、月次還付は申告ごとに可能で、様式3519を使用。
EC Sales ListEU域内の物品供給はERTVA(VAT総括表)を金額の下限なしで、翌月の10営業日目までにDEBWEB2で申告。サービスの申告は別のDES。
イントラスタット統計調査(EMEBI)は税関から通知を受けた標本企業のみが対象で、期限は翌月10営業日目。以前の46万ユーロの閾値は廃止されている。
年次申告簡易課税の年次申告CA12のみ(上記)。

その他の主な論点

仕入税額控除の制限乗用車・人の輸送用車両等に係る仕入VATは原則控除不可(税務ドクトリンBOFiPの除外規定、例外あり)。自家供給(livraison à soi-même)や無償供与などで生じるVATも控除対象外。
国内リバースチャージ国内リバースチャージには、建設業の下請工事(CGI第283条2nonies、2014年以降の契約)、廃棄物・回収材の加工役務、電子通信サービス、エネルギー供給などがある。
非居住者の還付EU事業者は設立国の電子ポータル経由で、還付期間の翌年9月30日まで。非EU事業者は翌年6月30日まで、2021年7月1日以降は財政代理人がimpots.gouv.frの安全な電子メッセージで提出する。最低金額は期間3か月以上で400ユーロ、3か月超1年以下で50ユーロ(1,000ユーロ以上、燃料250ユーロ以上の仕入は請求書の電子添付必須)。
罰則・利息遅延利息は月0.20%(年2.4%、CGI第1727条III)。納付遅延には5%の加算(CGI第1731条)。
時効売上課税の更正期限は、課税が発生した年の翌年から数えて3年目の年末まで。フラグランス調書の作成または隠れた事業活動がある場合は10年(税務手続法典L176)。

出典

本ページは一般的な情報提供であり、個別の税務助言ではありません。